西村文子さん

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COREZO(コレゾ)「小さな農家の豊かな暮らし、ないことの幸せを伝え、年月を経て、失うことの恵みと有難さにも感謝する自然体験農園の先駆者」賞

西村 文子(にしむら ふみこ)さん

 

群馬県出身、愛知県豊田市在住

 

「西村自然農園」経営

 

ジャンル

自然体験農園

 




経歴・実績

1951年 群馬県の農家に生まれ、田畑を遊び場として育つ

      日本福祉大学を卒業後、東京都職員

      3年間の児童館勤務を経て、芳正さんと結婚

      和歌山県の農園で働きながら自然食と有機農法を学ぶ

1977年 愛知県小原村(現豊田市)に移住

1978年 西村自然農園 開園

     

受賞者のご紹介

 西村 文子(にしむら ふみこ)さんは、ご主人の芳正さんと愛知県豊田市で、自然体験農園「西村自然農園」を運営しておられる。自然体験の先駆けの自然農園があるとのことで、株式会社黒怒の佐野会長にお連れ頂いた。

 

 里山と田園風景が広がるテラスで、自家製のしそジュースを頂きながら、お話を伺った。

 

−− 「西村自然農園」を始められたきっかけは?

 

 「私は群馬県出身で、家は農業をしていました。大学を卒業して、東京都の職員になり、児童館に3年間勤務したのですが、冷え性で、腰痛、胃痛、頭痛とかもあって、とても体調が悪くて・・・、自然の中で暮らしたいと思っていました。そんな時、遊びに来ませんかという、電柱の貼紙を見て、ある農業集団の集まりに出掛け、そこで、実家が名古屋の肉屋なのに、農業の研究をしていた主人と出会いました。その集団は、お金の要らない世界を目指していて、自分たちには家族を捨てて自分のやりたいことはできないと思い、別の和歌山の農園で働きながら、自然食と有機農法を学びました。」

 

 「だんだん、皆んなが来てくれて健康になることをしたい、自然の中で農業をして子供を遊ばせたい、と思うようになって、場所を探していたら、昭和52(1977)年の秋に、10年間空き家になっていたここが見つかり、開墾を始めました。」

 

 「それで、昭和53(1978)年に準備ができて、無料で載せてくれる新聞の投稿欄に、『脱サラで農業をやっています。遊びに来て下さい。』と掲載してもらったのが始まりです。」

 

−− 「西村自然農園」は、どんな農園ですか?

 

 「季節の野菜や野草を収穫して、一緒に調理をしたり、楽しく食事をしたり、自然観察、工作などが体験できる農園です。農園を訪れてもらった人々とふれあいながら、自然や農業が好きになる種、手づくりを楽しいと思う種、少ないもので豊かに暮らせる種を撒きたいな、と思ってやっています。

 

 「今日も、ある企業の社内レクレーションで、バスで16名いらっしゃって、先程、帰られたのですが、10時に来られたので、ご挨拶して、ティータイムにお茶と夏野菜のクラッカーを楽しんでもらいながら、今日やってもらうことの説明をしました。」

 

 「幹事さんとランチにピザを焼くことは決めていたので、『小麦を作ろう』ということで、小麦を穂から揉んで外し、小麦粒と籾殻を分け、左廻しでゆっくりと石臼で挽くという作業、石臼で挽いた粉に強力粉を混ぜてピザ生地をこねるという作業を手分けしてやってもらいました。」

 

 「11時には、『畑へ行こう』で、トッピングに使うピーマン、トマト、ナス、オクラ、ホウズキトマトの収穫をして、11時半からは、『クッキングタイム』で、トッピングの野菜等を切りました。」

 

 「トマトソース、みそソース、バジルソース、フルーツソースの4種類のソース、野菜、自家製ベーコン、ソーセージ、チーズ等のトッピングから、各自、お好みの具とソースを選んで、生地に載せ、ピザ釜に入れて焼き上がったら、ランチタイムです。」

 

 「今日のメニューは、焼きたてピザの他に、カボチャスープ、トマトサラダ、インゲンのごま和え、キュウリ漬け物、ゴーヤ酢の物、ゴーヤチップス、デザートには、少量の砂糖で作ったくりきんとんとスイカをご用意しました。」

 

 「予算が4000円とおっしゃったので、そんなに要らないと断ったのですが、会社で決まっていることだから困るとおっしゃるので、自家製のみそ、梅干し、ゆかり等をお土産に持って帰ってもらいました。お酒も飲みたければ、飲みたい物を持って来て下さいが『西村自然農園』のスタイルです。小さなことで儲けるつもりはありません。

 

−− 楽しそうですね?

 

 「今日のお客さんたちもワイワイ、ガヤガヤ、満喫して帰られましたよ。体験プログラムは、春には、山菜やタケノコ掘り、夏は、果物や夏野菜の収穫、秋は、くりや柿等の果実、冬は、ユズ、カリン、冬野菜等々、季節によって、自然の恵みを収穫したり、それを使った料理を一緒に作ったりしてもらっています。」

 

 「野草の天ぷら、豆腐、おから料理、こんにゃく、五平餅、ギョウザ、天然酵母パン、石窯ピザ、ケーキ、クッキー、燻製、自然観察会、草木染めなんかは通年、体験して頂けます。」

 

 「日帰りの1日コースだけでなく、月1回程度、1年間通って、自然の巡りと恵みを学ぶコースや自然に添った暮らしをすることで、心と体を元気にしたい方向けの療養コース、じっくりと農と食を学びたい方、これからの生き方を考えたい方向けの研修生コース等があります。」

 

−− 農園はどれ位の広さがあるのですか?

 

 「米が4反、畑が2反、1反は300坪です。有機無農薬で、農作物は約100種類作っていて、ほぼ自給自足できています。農業で生計を立てるにはもっと広い農地が必要ですが、それがなかったし、機械を買う余裕もなかったし、農業技術もなかったので、農業はやりたかったけれど、農作物を売るという考えは全くありませんでした。」

 

 「田畑の広さもない、お金もない、技術もない、体力もない・・・、なかったことがよかったのだと思います。最初から、来てくれた人たち皆んなで、作って、採って、食べて、元気になって・・・、そういう自然体験ができる農園をしようと思っていました。もしあったら、普通の農家になっていたかもしれません。」

 


−− 年間何名位受入れておられるのですか?

 

 「10数年前のピーク時には、3000人を受入れました。宿泊は最大4〜50人なんですが、57名受けたこともあります。寝具が足りないので、寝袋を持参してもらいました。泊まりは、夏が多いですね。」

 

 「でも、今日、主人は、ピザを焼くのに大活躍だったので、疲れて寝ています。私たちは、農業で身体の芯から汗をかいて、元気に過ごしてきましたが、自然食をされていたお客様が病気になられて、私たちも高齢化で、身体の調子は自分だけでは決められなくなって来たと感じています。この農園の評判が上がって来たのと反比例するように、体力気力が下がって来ています。お客様に喜んでもらえるようにしたいのですが、無理ができなくなってきました。理想はいいけど、無理はダメなので、最近は受入れも徐々に減らしています。」

 


−− これからの抱負があればお聞かせ下さい。

 

 「雑誌取材も断ることが増えてきました。掲載してもらうとお客様も増えるのですが、私たちがくたびれるとサービスができません。私たちの想いがしっかりしていれば、大丈夫だと思っています。これからはお客様に手伝ってもらうことも考えようと思いっています。こうして欲しいと指示をすれば、男性でもやってくれるんですよ。自分たちの体力、気力に応じたやり方も考えなければと思います。」

 

 「20年経ったら子供を連れて来ようと思っていましたと、2〜30年振りに来訪して下さる方もいらっしゃって、有難いことですし、それだけ長い間やって来たんだなぁ、としみじみと思います。食材はお客さんが来られてから採るので、キャンセルされても何も困らないし、逆に、失うことの恵みというか、忙しかったはずが、ゆっくりできて有難いなと感じることもあります。恵みと思えることが老いかもしれませんね。怒ることもなくなって、いい勉強をさせてもらっています。有難いことです。」

 

COREZO(コレゾ)賞・財団の趣旨をご説明し、受賞のお願いをしたところ、ご承諾下さった。

 

COREZO(コレゾ)「小さな農家の豊かな暮らし、ないことの幸せを伝え、年月を経て、失うことの恵みと有難さにも感謝する自然体験農園の先駆者である。

 

西村 文子(にしむら ふみこ)さん関するお問い合わせは

メールで、info@corezo.org まで

本サイトに掲載している以外の受賞者の連絡先、住所他、個人情報や個人的なお問い合わせには、返答致しません。

 

COREZO (コレゾ)賞 事務局 (文責 平野龍平 最終取材2013.09. 編集更新2013.11.19.)

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