綾野月美さん

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COREZO(コレゾ)「少子高齢・過疎化の進む限界集落で、かかし(人形)の人口を増やし、人々の笑顔と交流人口を増やし続ける、かかし(人形)作家」賞

綾野 月美(あやの つきみ)さん

 

徳島県三好市東祖谷出身、在住


奥祖谷かかしの里

かかし(人形)製作者

 

ジャンル

地域振興

かかし(人形)作家 陶芸

経歴・実績

      旧東祖谷山村名頃生まれ

      約40年間、大阪で暮らす

2002年 生まれ故郷に戻る

2003年 かかしづくりを始める


 

受賞者のご紹介

徳島県三好市の観光名所、祖谷のかずら橋をさらに剣山に向かって車で約40分、東祖谷でも最も奥の集落である名頃の、かの有名な酷(国)道439号沿いの畑や沿道では、ユーモラスなイデタチの「かかし」というより、農作業をしているおじいちゃん、おばあちゃん、工事作業中のおっちゃん、サイクリングで訪れた若者、・・・等々、イキイキと今にも動き出しそうな、何体もの「人形」たちが出迎えてくれる。


 2013年6月、この「奥祖谷案山子(かかし)の里」をつくられた綾野月美(あやの つきみ・なんと風雅なお名前!)さんを訪ねた。2011年にも取材をさせて頂いたので、今回で2度目になる。

 

 綾野さんのつくる「かかし」は、一般に想像する「かかし」ではなくて、服を着た等身大の「人形」で、ご自宅周辺には7〜80体のかかし(人形)たちが、農作業をしたり、お茶を飲んだり、おしゃべりをしたり、それぞれのシーンを演じている。

 

−− 綾野さんはこちらのご出身ですか?

 

 「そうです。この名頃で生まれ、中学生の頃、父親の仕事の関係で大阪に行き、就職して、結婚をしました。新大阪駅のそばで約40年暮らした後、平成14年に生まれ故郷のここに帰ってきました。」

 

−− かかしづくりのきっかけは?

 

 「戻って来て、自宅前の田畑で農作業を始めたのですが、種子を蒔けばすぐにカラスや野鳥がやって来て、食べてしまうんです。それで、鳥を追い払うために、草むしりや鎌を持って草払いをしている父に似せて、等身大のかかし(人形)を作って、畑のあちこちに置きました。すると、鳥払いの効果も絶大でしたが、通りかかる人々が、「おはよう」、「こんにちは」と、父と間違えて、かかし(人形)に声をかけて下さるんです。最初は、『あれっ?何で?』と思っていたのですが、何度も見かけるようになると、それがおかしくて、かかし(人形)を増やしていきました。」

 

 「そのうちに、外の人も来て下さるようになって、増やす度に、このかかし(人形)の姿が噂になり、口コミで拡がったようです。やがて、観光名所みたいになって、TV取材も頻繁に来て下さるようになりました。」

 

 「こんな方もいらっしゃいました。あるTV番組を見て下さって、草むしりをしているかかし(人形)が亡くなられたお母さんにあまりにも似ていると、北海道からわざわざ訪ねて来られた方が、実際に、そのかかし(人形)に会って、お母さんのことを思い出し、涙を流されたんです。それを見て、一緒にもらい泣きしてしまいました。」

 

−− かかしづくりはどこかで習われたのですか?

 

30年以上、趣味でぬいぐるみの人形づくりを続けていましたけど、その応用で、全部我流です。」

 

−− どのように製作されるのですか?

 

 「木片を組み合わせて骨組みをつくり、それに使わなくなった座布団等を巻き付けて紐で縛って土台をつくり、胴体にします。頭部は別につくります。綿の入れ具合や、針と糸を使って表情をつくります。一体を作り上げるのには、最低でも1週間位はかかりますね。」

 

−− これまでに何体位つくられたのですか?

 

 「う〜ん、数えたことがないからよくわかりませんが、300体以上はつくったと思います。」

 

−− 着せる服はどうされているのですか?

 

 「近所の人が、かかしに使ってと、古着を持ってきてくれていたのですが、今では、全国から送って下さるので不自由しません。」

 

−− 各地でかかしのつくり方を教えておられると伺いましたが?

 

 「はい、ここを訪れて下さった皆さんから、何通もお手紙を頂いて、喜んでいましたら、この名頃地区の皆さんや他の地域、他府県からも大勢人が来られて、一緒に、かかし(人形)を作るようになりました。この名頃地区では、『かかしプロジェクト』という組織をつくって頂いて、地区の公民館で地元の皆さんと一緒に活動していますし、徳島市内では、半年に一度ですが、定期的に教えに行きます。また、3ヶ月に1回程、四国内だけでなく、山口県、広島県他、県外にもその地域の行政の観光課等からの依頼で、出掛けています。全て、ボランティアです。」

 


−− 何日位で教えるのですか?


 「大抵、1日です。一度、下見に行って、現地の世話役の皆さんと打合せをします。一通りの手順をご説明して、1日でできるよう下準備をしておいて頂きます。当日は、午前中に顔づくりをし、午後からは胴体を作製して完成させます。」

 

−− ここの他にも綾野さんのかかしに会えるところはあるのですか?

 

 「そうですね、この近辺なら、かかしのバス停とか、落合小学校前、落合集落展望台、三嶺駐車場前や『道の駅にしいや』にも置いてもらっていますし、教えに行った先々の方々が、いろんなところに置いて下さっていると思います。」

 

−− この名頃地区の人口はどれぐらいですか?

 

 「今、東祖谷の人口は、2,000人を切っていると思います。この名頃地区には、私が大阪に出る頃には、まだ100世帯程住んでいましたが、今では、19〜20世帯、38〜40名しかいないでしょう。私の家の隣に住んでいたおばあちゃんも介護施設に入りました。いつもウチに一緒にお茶を飲みに来ていた近所のおばあちゃんとお二人のかかしもつくり、いつも思い出して、一緒に居れるようにしています。」

 

 「とにかく、子供がいなくなりましたね。6〜7名もいないと思います。私が通った川向いの小学校もとっくの昔に廃校になっていて、学校が休みなるとやってくる私の孫たちの遊び場になっていますが、寂しいですね。」

 

−− どうしてこちらに帰ってこられたのですか?

 

 「私は、大阪での生活の方が長く、大阪の街も好きだったのですが、いつかは生まれ故郷に戻りたいと思っていました。大阪にも家はそのままあって、主人はマチの人なので、こちらと行き来しています。こういう2箇所生活もいいのかなとも思います。孫たちは田舎ができたと喜んでいます。」

 

−− 羨ましいですね?

 

 「1軒、ウチの空き家があるので、よかったら使ってもらってもいいですよ、ハハハハ。」

 

−− ビールは何処で買えますか?

 

 「西祖谷まで行くか、山を越えて、つるぎ町に行くかですね。」

 

−− ちょっと考えさせて下さい・・・・。

 

 「この辺りは土地が痩せていて、農作物もほどいも(じゃがいもの一種)や蕎麦位しかできません。産業も土木工事位しかなく、過疎の最先端の地域です。でも、のんびりしていて、時間がゆったり流れています。ここに来られた皆さんは、癒されるとおっしゃって、ひとしきり喋って帰って行かれます。ゴールデンウィーク等には、バスが何台もやって来て、100名以上が訪問されます。」

 

−− 観光用に整備してもらった方がいいのでは?

 

 「もうこの歳になって、何の欲も、何かお金儲けをしたいという気持ちも何もありません。自分自身が楽しんで、来てくれた方々も楽しんで下さったら嬉しいだけです。ただ、写真を撮るのに、無断で畑の中に入ったりする方もいらっしゃるので、最低限のマナーは守って欲しいと思います。」

 

 「自分の趣味で作ったかかし(人形)を通じて、色々な人々と会えて交流できるなんて、こんな嬉しいことはありません。海外から来られる方も増えて、家の中には、この地域の昔の結婚式の風景を再現しているのですが、それをお見せするととても喜んで下さいます。これが地域おこしにもつながればいいなと思います。今は、お声が掛かれば、かかし(人形)づくりの指導に出掛けていることもありますが、それ以外の家にいる時には、できる限り応対しますので、いつでも訪ねて下さい。」と、綾野さん。

 

COREZO(コレゾ)賞・財団の趣旨をご説明して、受賞のお願いをしたところ、快諾して下さった。

 

COREZO(コレゾ)「少子高齢・過疎化の進む限界集落で、かかし(人形)の人口を増やし、人々の笑顔と交流人口を増やし続ける、かかし(人形)作家」である。

 

綾野 月美(あやの つきみ)さん関するお問い合わせは

メールで、info@corezo.org まで

本サイトに掲載している以外の受賞者の連絡先、住所他、個人情報や個人的なお問い合わせには、返答致しません。

 

COREZO (コレゾ)賞 事務局 (文責 平野龍平 最終取材2013.06. 編集更新2013.11.11.)

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